結婚指輪・婚約指輪の歴史

指輪を贈ることは昔から約束を確認する上で欠かすことのできない儀式でした。

中でも、結婚の約束は最も神聖なもので、婚約の際には特別な指輪が使われました。

 

婚約指輪は何の飾りもない鉄の輪でした。

プリニウスの「博物誌」に、婚約指輪は 鉄製であったと書かれているように、古代ローマでは何の飾りもない鉄の輪を婚約指輪として贈っていました。

紀元前400年頃のギリシャの婚約指輪には、ただひと言「ハニー」と、愛の言葉を刻んだ婚約指輪があったそうです。

 

2世紀になるとローマの裕福な人々は、指輪にお金を使うようになったそうです。当時はふたつの「握り合う手」が、夫婦の誓約をあらわすとして指輪のモチーフによく使われていました。

 

握り合う手をモチーフにした結婚指輪「フェデ・リング」

指輪のデザインが、手と手が握り合う図柄になっている結婚指輪です。フェデとはイタリア語で「忠実」を意味します。かたく握り合う手の形が象徴的です。

 

15世紀になると指輪が象徴する「永遠」の意味に、「夫婦の愛」と「誠実」を象徴するダイヤモンドによってさらに強調されるようになり、婚礼の儀式に用いられるようになりました。

ルネッサンス期の金細工師の技術が、ギメル・リングという、それまでにはない新しいスタイルの結婚指輪を生み出しました。ギメルとは双子を意味するラテン語のことです。

中世後期の金細工士たちは、初期の閉鎖的なデザインから解放され、ダイヤモンドの価値を更に際立たせるようなデザインを婚約指輪や結婚指輪に施すようになりました。

 

1600年頃にはギメル・リングとフェデ・リング、そして第三のシンボルとしてハートが、新しいロマンティックなシンボルに加わり、結婚指輪がますますロマンティックになります。

17世紀に最も広く使われたのは、エナメルで花束を描いたポウジー・リングでした。当時、リングに刻む詩を何にするかが人々の関心の的でした。

18世紀になると、ダイヤモンドの供給量が飛躍的に増大しました。そしてキャンドルを利用した照明技術の進歩によって、星のように輝く数多くの指輪が生まれました。

 

ポウジー・リングの伝統も18世紀末に制定された「結婚指輪法」によって正規の純度検証刻印を強制的に刻印させるようになった結果、指輪の言葉を刻むスペースが奪われてしまいました。

象徴的なデザインの指輪は、何世紀もの人気がありましたが、19 世紀には永遠を象徴する蛇が人気となり、それまでのハートや手のデザインに取って代わりました。

18~19世紀の産業革命により成功した実業家は、妻にたくさんの宝石を買い与え、宝石のついた婚約指輪にゴールドの結婚指輪という2つの指輪を、花嫁に贈る習慣がこのころに確立します。

ダイヤモンドの原石が豊富に手に入るようになったこと、そしてプラチナが広く使われるようになったことでダイヤモンドそのものを主体とするデザインへと進んでいきました。

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